Akino-ya Banka’s Room
Evangelion SS 「Time After Time Ⅵ」



月へ帰ろう」についてのApology…

どうなりようもない片恋の話

 「濡れた髪のLonely」改め「Time After Time」第6話、「月へ帰ろう」でございます。
 サキが死んじゃう話、サキside。丸々書かずに置こうかとも思ってたのですが、やっぱり書かないとリツコさんに延々喋らせる羽目になって気の毒なので、ここは平等に…って、頁数がその『平等』をきっちり裏切っております。何だこの頁数。(小説形態の一太郎はA6文庫本サイズで書いています。400字詰め原稿用紙なら49枚換算、ちなみに「Before」あたりの約2倍…)

 この世界線では、サキは『高階マサユキ』のサルベージ体だけど記憶は全て飛んでます。でも研究する頭脳は継承してるもんだから、「身体は子供、頭脳は大人!」を地でいってます。
 セラちゃんに片恋してたのに、当のセラちゃんの首を落とす羽目になったことから、使徒がヒトとしていきていくために必要な段取りを整えるのが自分の役目だと考えるようになります。その挙げ句がDSSチョーカーだってんだから救われない話ですが、サキはただそれがあることでゼーレに共存を納得させるつもりだったんですね。
 兵器の法則として「作ったが最後使われる」(抑止力としての兵器なんてナンセンス)なんて言いますけど、サキは本気で使われないことを前提とした切り札を作ろうとしたのでした。ある意味、実は自分以外に効力がなかったとしてもそりゃ構わない、くらいに思ってた可能性もありますね。

 タイトル「月へ帰ろう」は杉山清貴さん。シチュエーションがちょっと謎ではあるのですが、切ない曲です。「HARVEST STORY」収録。「Hula moon sessions」のアコースティックバージョンも素敵。これ書いてる間、車の中エンドレスで流れてました。嗚呼、病膏肓に入ってますね。

 結局、タカミとのことは片恋の形見にすり寄られて思わずふらっと迷ってしまったという言語道断な関係だったわけですね。これだけ読むとなんて非道え奴!ってことになってしまいますが、大切に思ってたコトは確かなんです。
 タカミはタカミで最初こそ訳わからずに懐いてのめりこんでただけだったけど、セラとサキの因縁にたどり着いた後は、形見だろうが身代わりだろうがそれでサキが自分に構ってくれるんならそれでいーや、というある意味こっちのほうが余程言語道断なスタンスだったりします。で、おまけに棄てられ(たと思っ)て茫然としてるところを玲瓏美人クールビューティに声かけられてコロリと。コラッ!って感じですね。やっぱりサキ、なんて言おうとリツコさんとタカミ君の出会いは仕組んでたに違いない。

 そうそう、書いてるうちにイサナ、死ななくて済むことになりました。(初期プロットではとっととお亡くなりの予定でした。ゴメンナサイ)何遍も死にかけてサキに冷や汗かかせたようですが、持ち直して障害は残ってるけど辛うじて生き残ったと。使徒遺伝子を持ってるからって際限なく身体能力が高くて丈夫ってわけじゃないぞっていう証左になるわけですが、そこをあまりつつき回すと話が冗長になるのでさらっと流しました。いっそ別話で書きたいぐらいですね。ミサヲちゃん込みで。(<ほらまた墓穴を掘る…)

 さて、ようやく本筋に戻れます。いや何って、S2なオハナシですよ。
1~3話の概ね倍くらいのボリュームで延々と年長組の昔話をしてきましたが、本来は若干DV傾向なシンジ君と、それを拒みきれないカヲル君のお話だったんですってば。そこへレイちゃんが現れたからさあ大変。おまけにいろいろ乗り越えて微妙に黒くなったタカミ君は、お隣のフリージャーナリストのちょっかいに少々辟易しつつ、カヲル君の未来について頭を痛めています。預かり物のことも思案に入れつつ、一番いい方法を模索中。

それでは皆様、次回まで万夏が正気でいたら・・・・・いや、何も申しますまい・・・・・・(^^;

2020/01/26

暁乃家万夏 拝

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