夏服 最後の日 Ⅲ

 少女は、今度は逃げ出しはしなかった。ただカヲルを見て、これも数度の逡巡の後、口を開く。「・・・・あなた、誰だあれ・・・・・?」 真摯な紅瞳をうけとめ、カヲルは頭に響くような自分の鼓動を聞きながら・・・ゆっくりと息を吸っ … 続きを読む 夏服 最後の日 Ⅲ