Snow Waltz <後編>

 吹き荒れる雪風を遠くに聞きながら、暫くお互いの温かさだけを感じていた。
はるか昔、こうやって眠りについた記憶がある。何に怯えることもなく、ただ底のない安寧の中で微睡んだ時と、同じ温かさだった。揺籠の中の、己の半身。