廃園にて <後編>

『・・・・・憐れなもの。己の未来を投げ出して与えた相手は、欲得ずくか』
 声でない声に、思わずびくりとする。
 カヲルの声ではなかった。それはまぎれもなく、あの月下の魔物の・・・・!!