Snow Waltz 雪の降る夜に、その窓を開けてはいけない。白い世界の、残酷な童話。 2018.05.272023.10.15 Snow Waltz 雪の降る夜に、その窓を開けてはいけない。白い世界の、残酷な童話。 Snow Waltz <前編> シンジは暫く呆然としていた。 舞い降りたばかりの雪を月光が照らしたら、かくもあろうかという銀色の髪。母親が違うとは聞かされていたが、目前の夢幻的な美貌が血のつながった兄だとはにわかには信じ難かったのだ。 2018.05.272023.10.15 Snow Waltz <中編> 時に、冬神に魅入られた者が森に消えることがある。 その殆どが、二度ともとの世界に帰ってくることはない。ただ、誰かが森に消えた年は常よりも寒さが緩み、雪崩が里人に被害を及ぼすこともないと言われる。 ゆえに里人は、冬神に魅入られた者が森に消えることを凶事としない。 2018.05.272023.10.15 Snow Waltz <後編> 吹き荒れる雪風を遠くに聞きながら、暫くお互いの温かさだけを感じていた。 はるか昔、こうやって眠りについた記憶がある。何に怯えることもなく、ただ底のない安寧の中で微睡んだ時と、同じ温かさだった。揺籠の中の、己の半身。 2018.05.272023.10.15 旧サイトの6000Hitリクエスト、お題は「雪とレイちゃん、氷とカヲルで、もしできればゲンカヲ」 読んだよ